トタン屋根にはどんなメンテナンスが必要なのでしょうか?
トタン屋根の特徴を踏まえたうえで、トタン屋根のメンテナンス方法について解説していきます。
そもそもトタン屋根とはどんな屋根?
トタン屋根は最も歴史ある金属屋根の一種で、住宅や工場、倉庫などに使われています。
薄い銅板に亜鉛をメッキしたトタン板で作られています。
トタン屋根の種類
トタン屋根は、工法や形状によって種類があります。
主に、
瓦棒葺きトタン屋根
立平葺きトタン屋根
波板トタン屋根
折板トタン屋根 などの種類があります。
上の画像は瓦棒葺きトタン屋根です。
最近人気が出ているガルバリウム鋼板屋根は、アルミニウム、ケイ素、亜鉛などの合金で、ぱっと見では見分けるのが難しいです。
ただ、耐用年数がトタン屋根より長いため、時間の経過とともに違いが出てくると言えるでしょう。
ガルバリウム鋼板は1972年にアメリカ合衆国のベスレヘム・スチールが開発し、日本では1982年に発売されています。それ以前に施工されたものはトタン屋根といえますね。
トタン屋根の特徴
次に、トタン屋根の特徴を見てみましょう。
メリット
・材料費、施工費が安い
・軽いので耐震性が高い
トタン屋根の最大のメリットは、低コストであることです。
材料が安く施工が簡単なので、初期にかかる費用を抑えることができます。
軽量のため耐震性が高いことも大きなポイント。
継ぎ目が少ないしっかりした鉄板なので、雨漏りしづらい素材ともいわれています。
デメリット
・断熱性が低い
・雨音が伝わりやすい
・錆びやすい
・メンテナンス頻度が高い
トタンは熱を通しやすい素材です。
夏場は屋根の表面温度が70度以上になることもあり、室内がとても暑くなる点に注意しましょう。
断熱対策をしっかりしておかないと、エアコン代がかさんでしまう可能性があります。
そして、大きい雨音がするのもトタン屋根ならではのデメリットです。
また、経年劣化によりコーティングが剥がれてくるとサビが出てきてしまうので、定期的にメンテナンスをする必要があります。
また、トタン屋根の耐用年数は5~10年といわれています。
トタン屋根のメンテナンス方法
トタン屋根のメンテナンスはトタン屋根の状況によって変わってきます。
塗装もしくは張り替え、葺き替えやカバー工法があります。
①トタン屋根の塗装 約20~70万円
トタン屋根は、色あせや塗膜の剥がれから劣化が始まっていきます。
塗装などの定期的なメンテナンスを行っておらずそのまま何年も放置した状態にしておくと、まずは初期症状として、色あせや塗装の剥がれが起こりやすくなります。
色あせや塗装のはがれている状態を放置しておくと、錆や穴が開いてしまうような症状がみられるようになります。
そこまで劣化してくると、雨漏りなどに繋がってしまいます。
そうなる前に、築7~10年程度で塗装を行い、劣化を止める必要があるのです。
②トタン屋根のカバー工法・葺き替え工事 約60~250万円
サビが進行してしまっていたり、穴が開いていると、塗装をしても塗装の効果を十分に発揮できず想定している年数まで持たせることは厳しいです。
劣化が進んでしまっている場合に行うのが、カバー工法・葺き替え工事です。
既存の屋根はそのまま残し、新たな屋根材を上からかぶせる方法をカバー工法といいます。
重ね葺きと呼ぶこともあります。
カバー工法は、古い屋根を外さずに防水シートを張ったあとに、新しい屋根材を重ねる方法です。
ただ、下地材など屋根の裏に、後に雨漏りを起こすようなトラブルが潜んでいても確認できないというデメリットもあります。
葺き替えが予算的に厳しい場合や屋根下地まで傷んでいない場合に、カバー工法を行うことがあります。
葺き替え工事は、既存の屋根材と、屋根材の下に敷いてある防水シートと野地板を一度全部撤去します。
そして新しく野地板・防水シート・屋根材を張り替える工事です。
屋根の破損・劣化の状態によって一部屋根葺き替え工事と全面屋根葺き替え工事があります。
塗装やカバー工法による修繕と比べて費用がかかってしまいます。
劣化が進み、大掛かりな工事になってしまうと数百万円かかってしまいますが、塗装だとそこまでかかりません。
トタン屋根にあったタイミングのメンテナンスで、長持ちさせましょう。
③トタン屋根の部分修理 約15~20万円
トタン屋根は傷んでいるところがごく一部であった場合、部分的に修理をすることも可能です。
部分修理であっても、足場が必要となるので、15~20万円ほど費用がかかってしまいます。
トタン屋根の応急処置
トタン屋根の修理は日曜大工レベルで行うことができるのは応急処置レベルとなります。
つまり、倉庫の屋根で「雨漏りが止まれば良い」という場合は防水テープなどを使用して雨水の浸入口を塞いでしまう方法も有効です。しかし、トタン屋根は脆く屋根が抜け落ちてしまう危険もあるため日曜大工での応急処置はできるだけ控えた方が良いというのが専門家からのアドバイスです。